ニッケイ新聞 2008年9月10日付け
移民百周年を記念して八月三十日からブラジル国内五カ所で行われた「日伯親善高校野球大会」は五日、サンパウロ市ボン・レチーロ区のミエ・ニシ球場で最終戦二試合をおこない、予定通り日程を消化した。日本選抜はブラジル選抜との通算対戦成績を七勝一敗とし、ブラジルの野球ファンに高い実力を見せつけた。
五日午前は、日本選抜とブラジル選抜の試合がおこなわれ、八対三で日本選抜が勝利。午後からの試合では、ブラジル選抜チームはピッチャー以外を十五歳と十六歳の選手で構成されたチームで挑み、日本選抜が六対一で危なげなく勝った。
一日で約五千人が来場。終日とも観客席が埋まり、とくにブラジル選抜の好プレーには、一際大きな拍手と歓声があがった。
最終戦は、〇対〇で迎えた四回表、日本選抜の六番で、今年の甲子園優勝チームの奥村翔馬外野手(大阪桐蔭)が右中間を破るヒットを放ち、地引雄貴捕手(木更津総合)、浅村栄斗内野手(大阪桐蔭)、山城一樹捕手(浦添商業)の連続安打で一挙三点を獲得。七回、八回にも追加点をあげて勝負を決定づけた。
日本選抜は、田村圭投手(慶応)、近田怜王投手(報徳学園)、岩下圭投手(鹿児島実業)の三人でリレーし、ブラジル選抜を六安打一失点で抑えた。
なお、六日にモジ・ダス・クルーゼスで行われた試合では、四対四で迎えた八回表に、日本選抜は、前田隆一内野手(常葉菊川)のスリーラン、土屋健二投手(横浜)のソロホームランなどで五点を奪い、九対四で勝利を収めた。
七日午後の試合後、高校選抜の西谷浩一監督(大阪桐蔭監督)は、今回の親善試合を振り返り、「ブラジル滞在中、各地でいい交流をさせてもらえた。選手にとっても今回の経験が大きな財産になると思います」と充実した様子だった。
日本選抜の主将を務めた森川真雄内野手(大阪桐蔭)は「ブラジルの選手はパワーがあって、守備も上手だった」と感想を語り「バスの長距離移動も良い経験になった」とブラジル滞在の感想を述べた。
日伯親善高校野球は今回で通算四回目。一九六九年、八八年、九七年に行われた。なお、十月八日からは社会人の都市対抗優勝チームが来伯し、各地で交流試合を開催する。
◎
今回の試合結果は次の通り。【八月三十日=バストス】日本対ブラジル=七対九。【三十一日=ロンドリーナ】日本対ブラジル=四対二、十五対四。【九月三日=カンポ・グランデ】日本対南マ州選抜チーム=十一対〇、日本対ブラジル=三対二。【六日=モジ・ダス・クルーゼス】日本対ブラジル=九対四。【七日=サンパウロ】日本対ブラジル=八対三、六対一。