ニッケイ新聞 2008年9月10日付け
アルゼンチンが、日本のデジタルテレビ方式(ISDB―T)に基づいたブラジルのデジタルテレビ方式(SBTVD)を採用する方向で、具体的な検討を進めていることが分かった。ブラジルの主要メディアが八日報じた。
両国間の経済や通信分野の交流などを発展させるため来伯した、アルゼンチンのクリスチーナ・キルチネル大統領は、八日、ルーラ大統領らと会談し、両国間でデジタルテレビに関する専門の作業部会を設置することで合意。この部会をもとに、今月十八日ごろに予定されている日本の寺﨑明総務審議官の来伯を前に、具体的な協議を詰める方針という。
アルゼンチンがブラジルのデジタルテレビ方式の導入を決めれば、現在、ブラジルで生産、使用している関連機器がアルゼンチンでも使用されることになり、南米全体で統一したデジタルテレビ方式を推し進めたいブラジルにとっても、将来的な利益が大きいと見られている。
ブラジルのコスタ・エーリオ通信相は、ブラジルメディアの取材に対し、「アルゼンチンとブラジルの間に作業部会が設置されたことは、南米全体の通信を効率化するための重要な一歩になる」と話している。先日、コロンビアはEU方式採用を発表していた。