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CNJ=盗聴に規律と制度を=管理不足で氾濫状態に

ニッケイ新聞 2008年9月11日付け

 国家法務審議会(CNJ)は九日、盗聴許可に規律と制度を設けることを決定と十日付けエスタード紙が報じた。これで電話盗聴とEメール開示に一定枠が、設けられることになった。
 目的は、裁判所が許可した場合のみに盗聴機器の設置を許し、盗聴内容の守秘義務を守り漏洩責任者の所在を明白にするもので、従来の無制限盗聴に歯止めを掛ける。
 盗聴を許可した裁判所は毎月、責任者を明記した許可明細書を監察局へ提出。規律を乱した場合、管轄裁判所は直ちに事実の解明を行う。
 違法盗聴は国家情報部(Abin)の活動が表沙汰となり、盗聴記録の流用が問題となったことから規制が設けられたようだ。政治学者のセピック氏は、国家機関の諜報活動と盗聴について次のように見解を述べた。
 諜報活動は、一国の外交や国防になくてはならないもの。また国内の治安と法的秩序のためにも必要。問題になるのは、どんな目的で、どんなことを調べるかにある。
 諜報機関は本来の対外活動がないがしろになり、対内活動に利用されたのが遺憾。連邦警察や自治体の治安機関などと交錯し、Abinの中も規律が乱れたようだ。
 最近は国内に民間の諜報機関が多数徘徊し、この監視にもAbinが使われた。こうなってくると、大量の情報整理が困難となり、主客転倒する傾向があった。
 盗聴が問題になるのは、ブラジルの諜報活動に基本的構造がないからだ。誰もが国内の諜報活動に走り、政府機関の秩序と治安だけに注意が集中。そのため盗聴の氾濫が起きた。盗聴問題は、連邦令の法整備に辿り着く。現行のメカニズムでは、全て中途半端だ。