ニッケイ新聞 2008年9月13日付け
二十二日から十月二十二日まで、援協経営の日伯友好病院で働くファビオ・アントニオ・ガイオット医師(心臓外科・38)と瀧谷朋子エリザベッチ医師(心臓内科・48)が訪日し、日本の大学で技術研修に励む。
両医師は、このほど友好病院と技術提携を正式に結んだ金沢大学で研修。同大学の著名な心臓血管外科医として知られる渡邊剛医師のもとで、日本の最先端医療技術を学ぶ。この後、ファビオ医師は東京医科大学で、瀧谷医師は京都大学と大阪大学で研修する。
二人ともUSP医学部を卒業。ファビオ医師は一年ほど前から友好病院で心臓外科手術を担当しており、INCOR(USP付属総合病院心臓研究所)でも医療チームを組む。サンパウロでも腕利きの心臓外科医として活躍している。「ロボット手術やオフポンプ手術など、ブラジルで普及していない技術を日本で学びたい」と意欲的だ。
二世の瀧谷医師は、友好病院が開院した八八年から勤務。日本語もたっしゃ。「手術前と後のケアの仕方について、ブラジルの病院とどのように違うのかを知りたい」と語る。
友好病院の経営を担当する菊地義治援協副会長は「金沢大学との技術提携の話は二年前から続けてきた。友好病院の設立二十年、移民百周年の節目の年に、こうした具体的な技術交流ができるのはとても意義深いこと」と話している。
友好病院では、心臓分野に関する診察を月に千五百件ほど受け付けている。バイパス手術などの外科手術は月平均で六件ほど行っており、その件数も増加傾向にある。