ニッケイ新聞 2008年9月13日付け
熊本にある劇団笠戸丸は、今年四月二十八日に熊本で「ボクノフルサト。」を上演した。同劇団は〇八年一月に結成され、熊本県内の人たちで集まったユニット劇団。
来年二月五日から同公演を行うために、同劇団から山南純平代表、脚本担当の田中瞳さんの二人が、八月三十一日から八日までブラジル内を視察し、八日に本紙を訪れた。
田中さんは、「航跡―ロシア船笠戸丸」「荒野の人」などの書物を読み、藤崎康夫さん(ニッケイ新聞東京支所長)、安永忠邦さんの話などを聞き脚本を書いたという。「色々な人たちの話を聞いているうちに、移民の人たちのフルサトが分からなくなった。今回の物語は五、六世の人たちが、自分たちのルーツを探るものになっている」と話す。
一方、山南代表は「今回の公演で次の百周年を目指した新しい文化交流ができれば」と期待を込めた。
来年二月五日から、弓場農場、プロミッソン、ピラール・ド・スール、サンパウロの四カ所で上演を予定している。公演時間は一時間ほどで、一部は歌を中心に、二部は劇を中心に行われる。