ニッケイ新聞 2008年9月13日付け
一カ月、二カ月と指をもう四本折ると、移民百一年目を迎える。まだ九月―と、そうのんびりも構えていられない。移民新世紀はすぐそこだ。
今年は日本では簡単にお目にかかれないような来伯講演などに参加でき、多くを学ばせてもらえた。だが逆に、ほとんどの来伯者がコロニアで色々教わったと満足そうに、「又来たい」と言葉を残してゆく。
その一人、日野原重明氏は、百歳で又この地に足を運ぶと宣言し、十一日に日本へ発った。「ブラジルはいいね。楽しいね」との理由を尋ねると、「老人が元気で明るい」。
「新老人の会」を設立し老人が生き生きと主役でいる社会を作ろうと舵をとる日野原さんが「良い」と誉めたのだ。日本から一番遠いニッポンとして、移民新世紀へ良いものを残してゆくというのは大きな大きな使命だと思う。 (親)