ニッケイ新聞 2008年9月16日付け
サンパウロ蘭協会(森本みどり会長)が主催する第七十九回蘭展が、十二日から三日間、文協貴賓室で開催され、約一万五千人の人出でにぎわった。
世界レベルといわれる同展の、移民百周年を記念した今回の最高賞を獲得したのは、二本の茎から計十個もの花をつけたパフィオペジルン。サンパウロ州レジストロ市のオルキヴァーレからジョゼ・ルイス・アンドレー氏が出品した。
同協会の川越ネウザ広報担当理事は「栽培がとても難しい種類なのに、こんなにたくさん花を咲かせている」と受賞理由を説明する。来場者の西桐ネリーさん(54)=リベルダーデ区在住=は「こんなの見たことない。本当に珍しい」と感想をのべた。蘭愛好家の母親に連れられて毎回蘭展に来ているうちに、「いつの間にか自分も好きになっていた」と笑う。
米国蘭協会の審査員の評価では、八十点台を獲得した優秀花に与えられる賞AM(Award of Merit)が、AOSP会員のKao Ta Chungさんの出品したカトレア交配種などに送られた。
また、森本マルシアさんが出品したマキシミリア・フェルジナンジアナに九十点以上にしか与えられない賞CCE「栽培最優秀賞」が贈られたほか、川越さんが出品したシトログロッサ・アウラッタに賞JC「審査員賞」が出されるなど、今回もレベルの高さを立証した。
蘭展会場は、天井に赤い布が波のように垂らされ、竹垣があちこちにおかれるなど、移民百周年を記念にした特別な飾り付けになっており、お気に入りの蘭といっしょに記念撮影する来場者の姿が見られた。また、二十二の販売ブースの並ぶ大サロン会場は終日、来場者でごった返していた。