ニッケイ新聞 2008年9月16日付け
朝日新聞ラテンアメリカ特派員の石田博士さん(38、岡山県)が任期を終えて帰国するにあたり、十二日来社し、「濃密な三年間でした」と記者生活を振り返った。
「〇五年の赴任時と今を比べるとブラジルの存在感は大きい」と日本側の評価の急激な変化を挙げ、「日系社会の取材を通し、八、九〇年代の『失われた二十年』は日系人が両国間を繋いでくれていたと実感した」と話す。
「百周年は終わったが、入管法改正から二十年という節目の年である二〇一〇年を新しい両国関係を模索する機会」と捉え、帰国後も在日ブラジル人問題に関わっていく考えだ。
石田さんは十三日に離伯、東京本社社会部配属となる。
南米特派員としては初の女性記者となる後任の平山亜理さん(38)は、父親がNHKの特派員だったことから、リオデジャネイロで生まれ、ブラジル籍を持つ。幼少期をエジプトで過ごし、高校時代にエスピリト・サント州、上智大学在学中にフランスにそれぞれ一年間留学した国際派だ。
九五年に入社、山梨、秋田支局、東京本社社会部を経て、昨年はキューバで語学研修を行っている。
「高校生の時、移民のおばあちゃんと話し、『この人たちの話を伝えたい』と思ったことから記者を志した」という。
「一番関心のある移民のことを書きたくてしょうがない」とコロニアにとって頼もしい抱負を語った。