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サンパウロ市証券取引所=株価指数7・5%の暴落=16日には続落避ける=リーマン和議がブラジル直撃=ローン枯渇が世界的傾向

ニッケイ新聞 2008年9月17日付け

 金融業界をパニックに陥れたリーマン・ブラザース投資銀行の和議倒産で、サンパウロ市証券取引所(ボベスパ)は十五日、株価指数を七・五九%下げたと十六日付けエスタード紙が報じた。米五大投資銀行のうち三行が死に体状態となった。国際経済の減速予測がコモディティ市場を襲い、ペトロブラスやヴァーレなど原料企業株を大幅に引き下げた。
 株価指数七・五九%の下げ幅は、九・一一テロ以来だ。年間下げ幅は二四・二一%、四八・四一六ポイントに。カントリーリスクは、一六・七三%上がった。ドルは一レアル八一四。次の関心事は、米最大の保険会社AIGの行方だ。
 このような金融パニックをもたらした責任者の罪は、許しがたい。しかし、パニックは終盤を迎えたのではない。まだ悪化する可能性がある。ボベスパは七・五九%下げたのに、ニューヨークは、僅か四・四%下げただけだ。これは何を意味するのか。
 ウオール・ストリートの姿は、変わった。伝統のあるリーマンとベア・スタンズの二行は、番付表から消された。誰もが疑問に思うはず。病んでいる恩師に、もう少し暖かい手を差し伸べられないのか。ベアには公的資金を投じ、リーマンは紙くずのように捨てた。
 十六日のボベスパも一時四%続落したが、米政府が米国最大の保険会社AIGを救済する可能性があるとの報告を受け、午後三時現在で二%以内に戻している。その後、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利の据え置きを決めたことから、市場はさらに持ち返した。
 米国金融不安収束の気配が見えてこないことから、ブラジルの市場も依然として不安定さを露呈していることが窺われるボベスパの動きだが、経済学者のミング氏によれば、ブラジルは、まだ火が燃えついたばかりだという。
 同氏は、ブラジルは三つの点で注意する必要があると分析している。一は、コモディティの下落で輸出がさらに低下する。二は、多国籍企業の配当金送金がさらに増加する。三が、クレジット枯渇。
 これまで企業は、資本市場のおかげで容易に資金調達ができた。これからは、世界中を飛び回る。それでも必要な資金入手は、困難になる。減速経済の中で、冬の時代を迎えるからだ。