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パラリンピック最終日に=障害者との共存を考える=痛みや弱さを同じ目線で

ニッケイ新聞 2008年9月17日付け

 最終日を迎えた北京パラリンピックでは、「障害を持っている人々は、たくさんの応援を必要としているから」と、応援に駆けつける人々が、昼夜を問わず、競技場周辺を賑わしているという。
 陸上競技の視覚障害の部では伴走者がおり、足を切断した人は各人に適した義足使用など、様々な工夫と努力で競技に参加する選手を陰で支える人たちも大勢いる。しかし、生活の場では、障害者が偏見や差別の目で見られることなく、持てる能力を発揮できる環境が整っているだろうか。
 六日エスタード紙によると、サンパウロ市の映画館や学校、銀行、レストランなど、一〇〇人以上が集まる三五〇〇カ所の調査では、車椅子や歩行困難者用のスロープやエレベーターなど、法に定められた一〇〇〇以上の規定を全て満たしている施設は皆無。
 一方、公的施設とともに必要なのは、個人が使用する生活空間や補助具の適正化。十六日エスタード紙には、車椅子利用者の半数は恒常的な痛みにさいなまれているとあるが、車椅子や杖、義足、義手などが体に合わなければ、痛みや動きの制限などの影響が出るのは当然のことだ。
 ところが、これらの痛みや不自由さを理解し、改善に取組むことができる健常者が少ない。また、車椅子で下る時は後向きの方が安心できる、話しかけるには目線の高さでなど、利用者の心理や留意点も余り知られていないのが現状だ。
 二〇〇〇年の国内統計で、何らかの障害を持つ人は二四五〇万人。うち、運動障害ありは六六〇万人で、上下または左右半身の不随や四肢障害ありは二万六四〇〇人。義手や義足、車椅子のような補助具が必要という人は一〇〇万人という。
 車椅子利用者が傷め易い所は肩や手首、肘、手などで、背もたれや首支えの高さ、脚台の位置や座席のクッション性、車輪の大きさなどの調整が必要。車椅子利用に関する指導は保健統一システム(SUS)でも行なうが、調整費負担はない。
 衣類や眼鏡、入れ歯などと同様、障害者の補助具は個人調整が必要な必需品。サンパウロ市では車椅子利用者も利用できるタクシー導入計画が動き出したが、トイレの工夫やスロープ、てすりの設置など、誰もが快適に過ごせる環境作りや物心両面の改革が公私共に必要だ。

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