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BRICsが牽引=米危機後の国際経済を

ニッケイ新聞 2008年9月18日付け

 BRICsの名付け親でゴールドマン・サックス顧問のジム・オニール氏が、米金融危機とブラジルの将来について十六日付けフォーリャ紙で次のように語った。
 全ては中国の経済成長やコモディティの暴騰など、行き過ぎがもたらした結果だという。だから中国の経済成長率は七%以下に留まり、原油はバレル当り八十ドルで落ち付く。それで政府経費も縮小する必要がある。
 リーマンの和議やメリル・リンチの身売り、次はAIGの番かと心配するよりも、誰がこれからの世界を引っ張って行くかを考えるほうがよい。それが分かれば、米危機など問題ではない。
 リーマンの和議は、米国の消費全盛時代の終焉といえる。ブラジルも含めて特に中国は、消費市場を盛りたて米国に消費文化を売り込んだ。米国はその間、世界の不良債権を抱えこんで苦しんでいた。それは案外、誰にも知られていない。
 米国からの離陸は、世界中で話題になった。国内市場を育てたブラジルは、それを達成した。しかし、ブラジルが年間六%の経済成長率を達成できるかよりも、中国が七%を達成できるかが非常に心配といえる。
 中国経済は米国依存で、世界経済の変則的牽引車であった。コモディティ大国ブラジルは、暴落で経済が一時的後退するが、BRICsとともにやがて蘇生する。
 ブラジルで気になることを二つ指摘するなら、コモディティの下落に対し、いかに対応するか。それから政府の浪費癖を、どうカットするか。ブラジルが経済成長率五%以上を達成するためには、政府浪費に歯止めをかけることが先決だ。