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ボリビア内紛=「米大使追放は妥当」=ルーラ大統領が追認発言

ニッケイ新聞 2008年9月19日付け

 ルーラ大統領は十七日、ボリビアのモラレス大統領が駐ボリビアのゴウルドバーグ米大使を国外追放に処したことで、同大使が野党と接触したことが事実であるなら、大統領の判断は妥当であると、決定を支持する意向を示したと十八日付けフォーリャ紙が報じた。
 「内政干渉は、大使の役目ではない。大使は、国と国が交渉するときの米国代表。それがボリビアの国内問題に口出しをしていたのなら、モラレス大統領は正しい」とルーラ大統領が弁明。
 同大使はボリビアの国内分離派を煽動したとして、モラレス大統領が追放へ踏み切った。与党国会議員は、同大使が野党議員や分離派知事らとの会合に出席したという報告書を公表した。
 ルーラ大統領は、ブラジルで起こったドンナ・リナック米大使の行為を糾弾した。大統領がブッシュ発言を批判したことに同米大使が弁明し、大統領の不快をかった。共和国大統領の発言について感想を述べるのは、大使の権限ではないとアモリン外相に通告をさせたことがある。
 駐伯ソーベル米大使は、野党議員との接触を内政干渉とする大統領発言に反発した。米大使は、どの国でも選挙で当選した議員は与野党ともに接触するという。
 法相と国防相はモラレス大統領から、軍事用バスとトラックの供給を要請された。武器や麻薬の出入りが、激しいブラジルとの国境警備を強化するためという。またボリビアからのブラジル向け避難民も激増しているので、ブラジルの連警協力も打診した。
 大統領はボリビアが、国際慣習に添って南米連合(Unasul)決議でも国連決議でも理解して欲しいという。合意事項は双方実行するべきだが、ボリビアはそうとは限らない。南米諸国は、ボリビアに対し友好的に接しているのだ。