ニッケイ新聞 2008年9月20日付け
【リオデジャネイロ19日共同】日本人がウルグアイに移住して百周年を迎えたのを記念して、同国の首都モンテビデオで十八日、記念式典が行われた。日本人は同国に花卉(かき)栽培を根付かせたことで知られ、皇族を代表し高円宮妃久子さまが出席された。
久子さまは「日系人が品種改良した新たな品種はこの国を華やかに装飾しています。ひた向きな勤勉さと誠実かつ正直なところがウルグアイの社会で信頼と尊敬をかち得たことを同じ日本人として誇りに思います」と移民の苦労をねぎらわれた。皇族の同国訪問は二〇〇三年十一月の紀宮時代の黒田清子(くろだ・さやこ)さん以来。
式典にはマルティネス産業・エネルギー・鉱業相のほか、竹元正美大使、田中忠日本人会会長ら約三百人が出席。日本語とスペイン語で百年を祝う歌も合唱した。
一九〇八年、神戸を拠点とした貿易商人が雑貨店の支店開設のため、隣国アルゼンチンから従業員の坪田静仁(つぼた・せいじ)氏を派遣したのがウルグアイへの移住のはじまり。
隣国ブラジルやパラグアイなどへの移民が再移住し、五〇年代から七〇年代にかけて花卉栽培が活発化した。現在、四世を含む日系人約二百五十人が暮らしている。
ブラジルご訪問は19日から
高円宮妃久子さまは十九日から二十二日までサンパウロに滞在される。二十日に名誉総裁を務める国際環境NGOの野鳥保護団体「バードライフ・インターナショナル」の関連行事に出席されるほか、午後からイビラプエラ公園の開拓先没者慰霊碑、移民史料館などを訪問される予定。