ニッケイ新聞 2008年9月23日付け
ボリビアはブラジルの隣国であり、日本人が入植しているので邦人は交際もあり仲がいい。あの国に日本人が初めて入ったのは1899年であり、北部のリベルタにあったゴム農場に就労し、すでに移民100周年を祝っている、所謂―ペルー下りの人たちであり、今も子孫が3000人を超えるそうだから凄い▼あの太平洋に面して聳えるアンデスの山中にあるボリビアには、どういうわけか革命とクーデターが多い。チリとの太平洋戦争やパラグァイとはチャコ戦争と士気は高いのだが、どちらも敗北し海のない内陸国になってしまったが、「戦い」好きは変わらないらしい。今も、モラレス大統領と対立するサンタ・クルスなど東部の州が激しい抗争をしており、事実上の内戦に陥っている▼なんとか仲裁をと南米諸国連合(unasui)の首脳が集まり、政府と野党の協議を提案しているが、未だに解決策は見つかっていない。ご存知の通り、モラレス大統領は左派と反米であり、リマ駐在の米大使を追放し話題になっている。元々、あの国ではチェ・ゲバラのテロ活動で知られるように左翼的な政治運動が激しい▼その昔は驚異的なインフレであり、81年に1ドルが約25ペソなのに86年は140万ペソとー第1次大戦後のドイツに次ぐと言われたものである。今は天然ガスで大稼ぎしているので落ち着いているが、余り対立と内戦にばかりに耽っていると、あの質(たち)の悪いインフレになりトマト一個を買うのに1000ペソの束がいるような事態になりかねない。ほどほどに仲良くーとお願いしたい。今の通貨はボリビアーノです。 (遯)