ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ロシアが中米接近=米政府が不審感を表す

ロシアが中米接近=米政府が不審感を表す

ニッケイ新聞 2008年9月24日付け

 ロシアの宇宙基地をキューバに建設する計画が着々と進んでいることで、米政府が不快感を示したと二十一日付けヴァロール紙が報じた。
 ロシアが中南米との友好関係を強め対米均衡を保つ意向が、冷戦時代の終わった今も米政府を刺激しているらしい。
 ロシア宇宙局のペルミノフ長官はセシン副首相とともにキューバを訪れ、サイトで宇宙基地建設計画を発表した。セシン副首相は、キューバからベネズエラへ飛び、チャベス大統領をモスクワへ招待した。
 副首相は、さらにニカラグアをも訪れ、ソ連時代の裏庭外交を復活しようとしている。ロシア外務省のフロロフ報道官は、国際外交の均衡力として中米諸国への布石を強調した。
 ロシアは二十日、ベネズエラとの友好同盟を宣言し、ライス米国務長官をしてロシア外交に親米諸国が反応するよう求めた。平穏無事の中南米に、新たな火種を設けようとしていると。
 ロシアは大量の武器をベネズエラへ売却し、中南米への影響力を強めた。米政府はロシアの不気味な動きに不審感を抱いている。
 ロシアと欧米の関係が疎遠となるなら、ロシアは同盟国へ手を回す。武器売却や将来核技術の提供や軍事援助の密約も予想されると対ロシア米研究機関がいう。
 ニカラグアのオルテガ大統領は、ロシアとの友好関係に深い関心を示した。セシン副首相は、武器と石油の提供で借款の検討を約束した。ボリビアのモラレス大統領も、麻薬対策でロシアへの接近を希望した。