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岩手県人会=さんさ踊りで指導者来伯=「夢は全南米でさんさ踊り」

ニッケイ新聞 2008年9月24日付け

 ハラハラセ――。盛岡さんさ踊りの独特で軽快な掛け声が、岩手県人会会館内に響き渡った。岩手県盛岡市の「盛岡・パラグアイさんさ踊り交流チーム(吉田直美代表)」の一行三人が、十九日同会館で、リベルダーデ文化援護協会(ACAL)の演芸部員に同踊りの指導を二時間ほど行った。
 一行は九日に日本を出発し、十一日から十三日まで三日間パラグアイピラポ移住地で、同地の県人会婦人部や子供たちに踊りや太鼓、笛などを指導した。十四日に同地で開催された敬老会でさんさ踊りを披露し、十九日に帰路の途中に一日だけブラジルを訪れた。一行は二十一日に日本に帰国した。
 また、さんさ踊り普及のために同移住地に対して、同市職員の募金で集まった三十五万千百三十円で購入した太鼓二張、浴衣・帯十四組、雪駄二十足などを寄付した。
 同チームは、同市の職員吉田直美さんを代表に、北山芸能保存会の東タエ子さん、大宮さんさ踊り保存会の藤原カツ子さんで編成されている。
 今回一行がブラジルを訪れた経緯には、同チームがパラグアイに指導に行くことを知った千田昿暁同県人会長が「ブラジルでも指導してほしい」との要請に応えて実現したもの。
 ブラジルでは、約二十年前に当時の県知事が来伯した時に、太鼓や着物を寄付してもらい始まった。しかし、最近は踊り手の高齢化などにより、同県人会では活動を休止している。
 吉田代表は、同移住地で指導したことについて「みんなテープなどで一生懸命練習していた。実際に訪れて指導したことによって、みな涙を流しながら喜んでくれた」と感想を語り、「これからは定期的に指導に訪れたい」と希望を述べた。
 最後に「夢は全南米でさんさ踊りを開催すること。また、南米から盛岡に来てもらいたですね」と目を輝かせて語った。
 千田会長は「さんさ踊りのDVDやビデオをもらったので、これらを参考にして練習を続けていきたい。今は活動していないが、この機会に復活させたい」と意気込みを語った。