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リンス百周年=日本通りで日系顕彰=「百周年の鳥居」も落成

ニッケイ新聞 2008年9月24日付け

 リンス市とリンス慈善文化体育協会が日本移民百周年の記念事業として市中心部ロドリゲス・アルヴェス街に建設を進めてきた「日本移民百周年の鳥居(Portal do Centenario da Imigracao Japonesa)」が完成し、式典前日の二十日午前、数百人が集い盛大に落成式が挙行された。
 深紅の鳥居は高さ四・五メートル。あわせて約七十メートルの同街にはすずらん灯を設置して歩道も整備され、リベルダーデを思わせる風景に生まれ変わった。
 同事業は百周年記念とともに、市街地の再活性化事業として進められたもの。費用約二十万レアルは市が負担し、約六十日間で完成にいたった。
 式には安永和教同文協会長、イスラエル・アルフォンソ市持続的開発局長(市長代理)ほか、佐道善郎ノロエステ連合第一地区会長、関係団体代表など来賓はじめ数百人の市民が訪れた。静岡県や同県袋井市、長野県上田市などからも祝賀メッセージが寄せられた。
 安永会長は、百周年の記念建築が完成したことを喜び、市の日系社会への顕彰へ謝意を表した。アルフォンソ局長は「日系社会の市への貢献の軌跡」と落成を喜ぶとともに、「この通りが市の観光振興につながれば」と期待を表した。
 来賓一同で鳥居に設置された記念プレートを除幕。その後は鏡割や和太鼓「生」の演奏、盆踊りなども行なわれ、賑わいを見せた。
 同プロジェクトの設計にあたったのは、同市在住のカウエ・オバラ・クリモリさん(30、三世)。「百周年の顕彰だけでなく、セントロの公共の場にできたことで市民の融合を表すこともできた」と落成を喜ぶ。
 「セントロで日本人がオメナージェンされるのは初めて。どこからでも見えると思う」と話すのは、同市在住の二世の女性(50代)。同じく市内から訪れた非日系のエリカさん(32)も「リベルダーデみたいで、とてもきれい」と、新たな名所の誕生を喜んだ。
 プロミッソンから式に参加した安永会長の父、忠邦さん(87、二世)は「感激で涙が流れた。リンスにとってすばらしい記念のものができたと思う」と感無量の表情を見せていた。