ニッケイ新聞 2008年9月25日付け
全伯銀行協会(Febraban)は二十三日、国内金融市場の動向を調査したところ七八%に当る二十六行が、金融危機は長期化の見通しと答えたことを二十四日付けエスタード紙が報じた。来年度には減少傾向になると予測されてきた経済成長だが、米国金融危機を受けて、クレジットの減少などにより、過熱経済が抑制される見通しがさらに濃厚になってきたようだ。
米財務省とFRB(連邦準備制度理事会)が起草した、七千億ドルの公的資金投下を盛り込んだ不良債権処理法案の上程で、ブラジルの銀行の四四%は、中央銀行が金融引締め政策を維持せざるをえないと答えた。
三九%は国際金融がクレジットを凍結したことで、国内は資金枯渇を補うための融通が必要と答えた。一一%が、基本金利の引き上げに追い込まれるとした。しかし、大手銀行経営者が、米経済の悪化に伴い〇八/〇九年度マクロ経済の指標修正を提言した。
国際経済は、資本流通量の減少に伴いコモディティの弱気相場、中国の減速経済が織り込まれる。国内は、不安定な需給関係とレアル通貨の下落、クレジット縮小が懸念と銀行界が見る。
さらに〇八年に入ってローンに減少傾向が見え始めたと、銀行が報告した。これは中銀が四月、ローンの金利上昇と金融危機の兆候を懸念したためとされる。同時に企業の権利委譲融資も引き締め、二九・〇二%から二七・一四%へ後退。
銀行の手形割引は来年、二一・一三%から一九・三三%へ減る見込み。個人へのローンは、二二・六四%から二〇・〇八%へ縮小。財務相が消費者ローンの膨張率を三〇%から二〇%に下げる意向なので、予定水準といえそうだ。
二〇〇九年はクレジットが三〇%から二〇%へ縮小すると予測されるが、返済期限九十日以上の債務不履行は、顕著に増加することはないとの見通しだ。来年は経済成長率五・一五%予想が、三・七五%へ下方修正される見込みなので、活気は期待できない。
二〇〇九年の景気予測は際立った冷え込みではないが、消費者所得が停滞するので、これまでのような過熱消費は終焉しそうだ。銀行調査では、政府の公債がGDP(国内総生産)の四〇・四五%から四〇・三七%へ減る見込みだ。