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中央銀行=金融市場に132億Rを注入=預託金で銀行支援=減額と支払い期限延期で=米金融危機への対処措置

ニッケイ新聞 2008年9月26日付け

 米金融危機による資金不足で酸欠状態の国内金融市場に中央銀行は二十四日、百三十二億レアルを注入の意向と二十五日付けエスタード紙が報じた。中銀は、銀行が預ける預託金の割引額を一億レアルから三億レアルに拡大し、五十二億レアルを市場へ還元。リース企業に預託金の支払いを来年まで延期することで、八十億レアルを運用させる計画。同措置で中小銀行が、安堵したようだ。
 資金の注入法は、中銀への銀行預託金減額と納入期限延期の二つ。中銀措置は、資金調達に苦戦していた銀行を安堵させた。中銀は金融システム保護のために時節柄、市場の要望に応えたものと説明した。
 銀行は、数週間前から業務遂行の資金調達で流通量不足を訴えていた。投資家は、米金融危機から逃れ米国債などの安全地帯へ資金を避難させたため、世界的に余裕資金はなかった。
 こんな状況の中、海外での資金調達は殆ど不可能となり、国内でも高利の資金しかなかった。米金融危機の影響で流通量が極端に制限されたのを緩和するため、中銀は対策二案を打ち出した。
 一の預託金減額は、五十二億レアル。二の納入を延期される預託金は、八十億レアル。合計百三十二億レアル。預託金は、中銀が国内に流通する通貨の量を調整するために設けた制度だ。
 銀行は普通預金の四五%、CDB預金の一五%、貯蓄預金(ポウパンサ)の一〇%を、中銀に預託する義務がある。その他に当座預金と定期預金の八%、ポウパンサの一〇%を、特別預託金として銀行は納める。
 預託金は、実体のない担保によるクレジットを膨らますような過度の金融操作を管理下に置くために作られたもの。
 中銀は、今まで銀行が一億レアルにしていた預託金の割引額を、二十三日に三億レアルへ引き上げることを発表した。この処置でより大きな恩恵を受けるのは中小銀行。
 二は、リース企業の預託金に対する納入期限延期。金額にして八十億レアル。リース企業からの預託金の徴収に関し、来年三月からの支払い開始を認めるとの方針を中銀は明らかにした。
 この中銀措置で助かるのは、傍系にリース企業を抱える大手銀行。リーシングから入る資金を、さらに二カ月運用できるからだ。