ニッケイ新聞 2008年9月26日付け
リオ連邦大学(UFRJ)とミナス州ウベラバの恐竜博物館の研究者たちが、国内で最後に発掘された恐竜チタノサウルスの復元に成功し、二十四日にそのレプリカを公開した。
二十五日伯字紙によると、今回発掘されたチタノサウルスは体長一二~二〇メートル、体重は一二~一六トン。これは国内発見では最大で、発掘された骨も過去最多の一九八個(三体分)。骨の数が多いほど、より正確な復元が可能となる。
今回のチタノサウルスの骨は、二〇〇四年にミナス州セーラ・ダ・ガウガ(ウベラバから約三〇キロ)で、国道五〇号線の工事中に発見された。以後、UFRJとアルゼンチンの国立コマウエ大学の研究者が協力し、三年がかりで発掘した。
今回のものは、アルゼンチン発見でやや小型のサルタサウルスと、インド発見で大型のチタノサウルスの中間型で、ウベラバチタン・リベイロイと命名された。チタノサウルス類そのものは、南極大陸を除く全大陸で発見される、竜脚類に属する草食、小頭の首長竜。
また、サンパウロ州北東部からウベラバ近辺にかけて広がるバウル盆地は国内の恐竜の宝庫とされ、少なくとも五種類の恐竜が発見されている。
チタノサウルス類は約七〇〇〇万年前の白亜紀後期の恐竜といわれ、当時の南米大陸は、他の大陸とつながって、ゴンドワナ大陸を構成していたという。この大陸は、その後分裂し移動。
大洋をはさんで対峙する各大陸間ではプレートと呼ばれる地層の移動による力が働くが、その力の向きはゴンドワナ大陸分裂後の移動の方向によって決まり、二つのプレートが接近しようとする所は地震が発生し易いなど、太古の歴史は現代の生活にもつながる。
また、チタノサウルス絶滅時の気候は長期の乾燥が続き、植物や動物が死滅。その遺骸がその後の突然の雨でくぼ地に運ばれ、泥が覆った結果、化石として残ったと研究者たちは説明している。
チタノサウルスのレプリカは十月二十四日までUFRJの科学館で展示された後、発掘された化石と共に、ウベラバの恐竜博物館に展示される。