ニッケイ新聞 2008年9月27日付け
終戦後の二十年間ほどパラナ州ロンドリーナ市で活動していた日本語学校だった静陵学園の通学生と寄宿生の卒業生ら二百人余りが、同校創立者や教師に敬意を表するOB会を本日二十七日に市内のシャカラ・カナアンに集まって行う。今まで小さなOB会はあったが、これほど大規模なものは初めて。百周年も記念して盛大に行うという。
同校の校長は杉本鋭一さん(故)で、その妹の杉本文子さん(85、静岡県出身)=同市在住=が寄宿生の世話をし、文子さんの夫、六郎さん(87、同)が教師をしていた。「先生が生きているうちに」と卒業生ら声をかけあい、約百八十人がサンパウロ州やミナス州などからも集まる予定になっている。
取材のためにロンドリーナ市の自宅を訪ねると、文子さんは「ありがたいことです。寄宿生は我が子といっしょですよ。博士つかまえて、チャンづけですからね」と笑った。「四十~五十年ぶりに会う卒業生が、たくさん集まってくれるそうです」。
六郎さんも昔の写真アルバムを広げて七歳ぐらいの子供を指し、「この子が今は六十歳ぐらいになっています」と懐かしそうにいう。二人は、「全員で校歌を歌う予定になっています」と楽しみにしている様子。
鋭一さんは三七年八月から日本語教育を始めていたが、戦争中にはいろいろと困難に直面した。同校は一九四九年に創立され、六八年まで続いた。鋭一校長の体調が悪化し、アチバイアで療養することになり、活動を辞めた。
その間、通学生三百五十人、寄宿生六十人の卒業生を出した。日本語以外に、剣道、柔道、ポ語、体育なども教え、音楽劇などの情操教育にも力を注いでいた。