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ボベスパ=株価指数8%下落=ドル2レアル、インフレ懸念が
ニッケイ新聞 2008年10月3日付け
サンパウロ市証券取引所(ボベスパ)は二日午後三時半現在、株価指数が八%も下落した。ドルは四・三三%上げ、二レアル〇〇一センターボにつけたとエスタード紙・サイトが報じた。
米上院は金融救済法案を可決したが、ブラジル経済にとって安堵させる材料はない。米経済の不透明感の増幅と国際金融のクレジット悪化が顕著になっただけだ。
ブラジルの銀行は流通量の急減を余儀なくされ、融資は縮小、金利は暴騰する見通しとなった。ブラジル経済の中長期における懸念は、企業が融資更新だけで経営を維持し、新たな資金流入が期待できないこと。
ブラジルの外債総額は現在、二千億ドル。大部分は、民間企業の借金だ。今年末満期の債務は、百五十億ドル。これを決済する資金を調達できないなら、高利の資金で契約更新となり企業は経営を圧迫される。
企業の設備投資は絶望的で、多国籍の直接投資も期待できない。ブラジル経済は全体に萎縮する。銀行群も大体、同じ状態にある。ドル高騰は輸出にはよいが、インフレ到来の心配が現実味を帯びてきた。