ニッケイ新聞 2008年10月03日付け
【既報関連】NHK「歌謡コンサート」「BS日本のうた」などに出演し、日本で頭角を現してきている正統派演歌歌手、谷本知美さん(34、EMIミュージック)が百周年を祝し、ニッケイ新聞主催で初来伯公演をおこなう。「緑の風よ あなたに届け」という百周年記念演歌をひっさげて、今月二十二日リオ、そして二十六日サンパウロ市で「ブラジル緑の大使」として「日本人の心」を掴む歌声を響かせる。
◎ ◎
「ブラジル移民百年を一過性のものでなく、永遠の契りとする行事を」――ブラジル・ニッポン移住者協会(小山昭朗会長)が呼びかける「二十一世紀の森づくり・伯日友情の森づくり」に賛同し、今年一月に熊本県で発足した「日本緑の会」(清田和之会長)の「大使」として、谷本さんは来伯する。
ブラジル移民の父、上塚周平の生まれ故郷である熊本で発足した同会。百周年を機に、距離は遠くとも最大の日系社会があるブラジルのアマゾン熱帯雨林破壊問題に目を向けた。大阪出身の谷本さんは、同会の発起人の一人だ。
わずか二年間のうちに日本と同じ位の面積の世界の熱帯雨林が消えている深刻な現実と、日本人移民のことを知り「何かしたい」という思いから、歌声を生かし活動できる「大使」に。百周年を機に、緑化支援を通して今後も日伯友好を続けてゆこうと、「緑のコンサート」を行っている。
五月に発売された記念曲「緑の風よ あなたに届け」は、ブラジルに移民する人を見送った体験をもとに、佐久間由美氏が作詞。「日本ウォーキング協会」のテーマソングにも選ばれた。
ブラジル公演は、パウリスタ新聞四十周年記念で開催した演歌歌手、にしきのあきらさんのブラジル公演を手がけた吹矢正行氏がプロデュースする。バンド・マスターを日本から迎え、サンパウロ市公演では、蛯原忠男さんが率いるザ・フレンズ楽団が伴奏を務める。
今公演で谷本さんは、「緑の風―」はもとより、駅を舞台に男女の契りを繰り広げた持ち歌「なみだ駅」「汐風の駅」「約束の駅」で健気な女を切なく、また「石狩挽歌」「津軽海峡冬景色」「天城越え」など、二十曲以上を熱唱する。
帰国後は、東京・有楽町の読売ホールで「谷本知美ビッグ・コンサート」を控える。
【谷本知美】一九九二年NHK・BS勝ち抜き歌謡選手権チャンピオン。九五年関西演歌大賞最優秀賞。九八年デビュー。〇六年「なみだ駅」が日本作詞大賞入選。また、NHK「歌謡コンサート」「BS日本のうた」、舞台「お江戸でござる」、テレビ東京新春ワイド時代劇「国盗り物語」出演ほか。
【公演日程】▼二十二日午後八時=リオ日系協会会館(Rua Cosme Velho,1166)。▼二十六日午後二時=サンパウロ市文協ビル大講堂(Rua Sao Joaquim,381)。
【チケット予約・問い合わせ】ニッケイ新聞(電話=11・3208・3977)まで。