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「世界を結ぶ友好の懸け橋に」=東京=第49回海外日系人大会=麻生総理からメッセージ=秋篠宮殿下のお言葉も

ニッケイ新聞 2008年10月03日付け

 【東京発=藤崎康夫東京支社長】秋篠宮同妃殿下ご参列のもと、第四十九回海外日系人大会の式典が一日午後二時から、東京都の憲政記念館で開催された。本年は、ハワイ集団海外移民から数え百四十年。また最大の日系社会を築いたブラジル移住が百周年を迎え、記念すべき年での日系人大会となった。
 主催者の海外日系人協会、塚田千裕理事長は挨拶の中で、「今大会は世界のグローバル化による大きな変化があらわれる中での生き方、役割をテーマにした大会である」と位置付けた。
 また、一八六八(明治三十二)年、日本の海外移住の嚆矢であるハワイ集団移住が百四十年を迎えたこと、また海外最大の日系社会を築いたブラジル移民が百周年を迎えて、数々の行事が催されたことが語られた。
 秋篠宮殿下はお言葉のなかで、訪問された国々で移住した日本人からお聞きになったお話や、日系人への温かい思いなどを述べられた。
 国会開催中で出席できなかった麻生太郎総理からも「日系人の方々が、国と世界を結ぶ友好の懸け橋として国際協力・交流に寄与されることを願ってやまない」との言葉が寄せられた。
 橋本聖子外務副大臣の祝辞に続き、海外総代としてブラジル日本文化福祉協会の上原幸啓会長が「混血が進み、姿形は変わっても、日本人の血をひいている誇りは常に持っていると思います」と日系人の心のうちを語った。
 各国日系人代表より秋篠宮同妃両殿下への花籠披露があり、式典は終わった。
 式典に続いて、全体会議が開かれた。外務省領事局、深田博士局長、国際協力機構松本有幸理事長の挨拶。海外日系人協会事業報告に続いて海外日系新聞放送協会賞受賞式が行われた。
 大賞にはニッケイ新聞の堀江剛史記者による『日伯友好の礎・大武和三郎―辞書編纂と数奇な生涯』が選ばれた。辞書編纂を通して日伯交流の懸け橋となった、大武氏の業績と歴史を丹念に調べて連載したもの。
 また第五回海外日系文芸賞の大賞に、ブラジル・クリチーバの武井貢氏が選ばれた。短歌部門の海外日系人会理事会長賞にブラジル・フランコダロッシャの齊藤光之・ジュリオ氏が選ばれた。
俳句部門では、国際俳句交流協会賞にブラジル・クリチーバの岡崎町子氏、角川「俳句」編集部門賞にブラジル・グァタパラの寺内ユキエ氏が選ばれた。