ニッケイ新聞 2008年10月07日付け
ブラジル日本移民百周年記念協会(上原幸啓理事長)が主催した日本文化週間にかかった費用三百八十五万レアルのうち、八割にあたる三百万レアル(一部式典に対するものもあるが金額は不明)が業者や関係団体に対し、未払いであることがニッケイ新聞の取材で分かった。協会側の説明によれば、政府機関からの未入金分三百三十万レアルによるもの。同協会の〃金庫〃ともいえる免税口座団体(OSCIP=中矢レナット理事長)の口座には、百十万レアルがあるが、ルアネー法認可額の二割に満たないため、規定上、免税措置が取れず、支払いが行えないという。今年三月十三日の記者会見で中矢理事長は、「六百七十万レアルはほぼ確実。集まった金額でやる」と明言していたが、どうやら見込みがずれてきてしまったようだ。華々しい記念イベントの後始末の目処はまだ立ちそうにない。
「業者や協力してくれた団体からもクレームが来ていますが、お願いして待ってもらっている状態」と話す松尾治執行委員長によれば、六月二十一、二日にサンボードロモであった式祭典費用(ルアネー法許可額四百三十万)に関して、「ほぼ完済しているが、実際の費用は把握していない」と説明。
その後、日本文化週間の八十五万レアルも支払ったが、「政府関係からの支援金が下りない」という。
観光省やサンパウロ市などからの三百三十万レアルに関し、飯星ワルテル、ウィリアン・ウー両連邦議員らに協力を要請しているが、同週間から三カ月半が経過した現在、未入金の状態が続いている。
同週間に連邦政府が認めたルアネー法は過去最高認可額の六百五十九万レアル。しかし、その二割が銀行口座になければ、免税措置が取れないという規定があるため、現在ある百十万レアルも支払いに回せないという。
なお、この問題を解決するため、認可額の引き下げ申請も行ったというが連邦政府からの返答はなかったようだ。
二割にあたる百三十万レアルに達するためには二十万レアルが必要だが、「関係企業にあたっているので近日中には解決すると思う」(松尾執行委員長)と楽観的に見ているようだが、森口イナシオ百周年協会副会長は、「めいめいがその役割に頑張ってきたと思うけど…恥ずかしいと思う」と言葉少なに語った。
四日午前にたった九人の参加で行われた百周年理事会では、これらの件に関する発表はおろか、質問さえなく、完全に機能不全に陥っているといえそうだ。