ニッケイ新聞 2008年10月9日付け
南米最大の映画祭「第三十二回サンパウロ国際映画祭」が十七日から三十日までサンパウロ市内各所で開催される。
一九七七年に始まり、軍事政権下でも政府の検閲に抵抗して続いてきた同映画祭。昨年は「インターナショナル・パースペクティブ」「コンペティション」「レトロスペクティブ」の各部門に七十七カ国から四百五十本以上の映画が参加し、計二十万近い観客を動員した。
第一回から日本映画が上映され、なかでも鈴木清順監督、吉田喜重監督の特集上映を行なうなど、日本との関わりも深い映画祭になっている。
今年は、「江分利満氏の優雅な生活」「大誘拐」などの作品で知られ、〇五年に死去した岡本喜八監督の回顧上映が実施される。
今回上映されるのは岡本監督が生涯に製作した三十九作品のうち、監督デビューから六〇年代を中心にした十四作品で、日本国外では最大規模の回顧上映になる。上映会に伴い岡本監督の未亡人、岡本みね子さんがゲストとして参加する。
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上映作品は次の通り。「結婚のすべて」(五八年)、「独立愚連隊」(五九年)、「暗黒街の対決」(六〇年)、「地獄の饗宴」(六一年)、「江分利満氏の優雅な生活」(六三年)、「ああ爆弾」(六四年)「血と砂」(六五年)、「大菩薩峠」(六六年)、「殺人狂時代」(六七年)、「日本のいちばん長い日」(六七年)、「斬る」(六八年)、「肉弾」(六八年)、「赤毛」(六九年)、「激動の昭和史 沖縄決戦」(七一年)。
詳細等は同映画祭ホームページ(http://www2.uol.com.br/mostra/31/p_home.shtml?x=1)まで。