インターネットに要注意=青少年を犯罪から守れ!=親子の会話や指導の必要
ニッケイ新聞 2008年10月11日付け
二〇〇七年にインターネット利用者が四五〇〇万人を超えたブラジルだが、青少年の二八%は、インターネットで知り合った人物と会うために親に無断で出かけた経験ありと十日伯字紙が報じた。
非政府団体(NGO)SaferNetの全国調査報告によるもので、同NGOは、実際に同様の経験のある青少年は、二八%以上と見ている。青少年の五六%が同様の経験のある友人がいると答えているからだ。
また、同NGOは、「こういった数字が児童趣味を含むポルノ映像急増の背景」と懸念表明。オルクッチなどの利用者に、交友リストに入れてくれと申し入れ、受け入れた相手から個人的な情報を聞き出したり、個人的に会うことを申し込んで来る場合、呼び出し手が児童趣味者や仲介役という可能性がある他、親が部屋に出入りするかを確認し、暗証をセットするよう勧めたり、年齢を偽ってポルノ映像を送りつけたりする例もある。
ポルノ映像流布や児童趣味急増、インターネットで呼び出されて事件に巻き込まれるなど、インターネット絡みの犯罪は二〇〇四年以降毎年九〇%増加。コンピューターが自室にあり、親がアクセスできないよう暗証をセットするといった環境が、インターネット犯罪多発につながっている可能性もある。
インターネットは子供の方が詳しいというジレンマに悩む親もいるが、SaferNetは、インターネットを健全な形で利用するためには、インターネット利用の利点と危険性を教え、青少年との会話を保つ、家族共有の場所にコンピューターを置く、などの工夫や、インターネットで個人情報が盗まれることも多いため、個人的な情報は極力流さないなどの注意の必要を説く。アクセスを制限するソフト利用もある程度有効だ。
出会い系サイトに入った経験あり八〇%、対話型プログラム利用七二%といった青少年の実態を把握し、犯罪などから遠ざけるのは親だけの責任ではないが、インターネットで知り合った相手を呼び出し殺害といった事件も起きている現状で、インターネットで知り合った友人がいることを知らない親が二四%、子供のインターネット使用に基準を設けていない親が六三%といった数字も不安な情報といえる。