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エクアドル=挑発にブラジルが報復=経済使節団の送出中止

ニッケイ新聞 2008年10月11日付け

 エクアドルのコレア大統領による度重なる挑発行為で堪忍の緒が切れたルーラ大統領は九日、報復措置として十五日送り出し予定のエクアドル経済支援使節団の中止宣言と十日付けフォーリャ紙が報じた。
 経済支援は、マナウスの四首脳会談で話し合われたもの。エクアドルのマンタ港とマナウスを結ぶ道路と橋梁、港湾などのインフラ建設で、エクアドルの経済発展に供するものであった。
 ブラジル政府が駐伯エクアドル大使に手渡した文書の内容は、マナウス会談の友好的解決の約束とは裏腹に、オデブレヒト建設会社を追放処分にしたこと、またペトロブラスの試掘契約見直しで、追放を示唆したことなどへの抗議だ。
 マナウス会談では、両国間のモヤモヤを一掃するため経済支援使節団の送出を引き換えに建設会社追放の政令取り下げを、ルーラ大統領が求めた。コレア大統領は、それに合意した。
 同合意の二日前に憲法改正の国民投票が行われたエクアドルでは、マナウス合意は、コレア大統領がルーラ大統領によって買われたことを意味するととられたようだ。コレア大統領は帰国後、合意を反古にしたらしい。
 その後、コレア大統領はブラジルを悪者にすることで支持を集め政治基盤を強化した。コレア大統領は政治力を駆使して円満解決を図れず、ブラジルを裏切ったと、ルーラ大統領は感づいた。
 オデブレヒト社は、係争の焦点となっているサンフランシスコ発電所の他にトアチ・ピラトン発電所、疎水工事、ババ総合開発、テナ空港建設などに参加している。
 同社はまだ、公式に追放処分の通告を受け取っていないが、もし報道が事実であれば、第三者の真相究明調査により、コレア大統領の損害賠償要求に応じると表明した。