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加齢と上手に付合うには=視力の調整で保つ活動性=更年期障害や骨粗鬆症も

ニッケイ新聞 2008年10月15日付け

 加齢とともに体調が変化し、不調が現れる時、その不調と積極的に付合うことは、本人だけではなく、家族や社会にも大きな意味があるという。
 その一例は視力の低下や白内障の治療で、九日グローボ・サイトは、高齢者の視力への注意が健康面やセルフイメージの向上につながると報道。
 「七〇歳の人が視力回復手術を受け、八五歳まで生きたなら、良く見える状態で過ごした一五年間には大きな意味がある」という眼科医らは、視力障害治療で、視力の回復とともに、患者のセルフイメージや生産性向上も見られるとも指摘。うつ病もなく、家事や家族との行動も積極的に行ない、ボランティア活動にまで加わる人が増えると考えたら、「患者本人だけが得をするのではなく、経験豊富な活動参加者を得た社会はもっと得をする」ともいう。
 加齢による眼疾の代表の白内障は手術も一〇~一五分程度で済むが、網膜疾病の場合はもっと深刻で、早期発見のためには、変化に気付いた時は早期に医師の診断を受ける、眼鏡の調整を行なうなど、自己点検や医療機関での定期点検が必要。視界が明るくなり、良く見えるようになると生活の質も向上する。
 また、加齢とともに出て来る問題としては、更年期障害や骨粗鬆症なども挙げられる。十四日フォーリャ紙は、更年期障害に対するホルモン補充療法(乳ガンを引起す危険あり)に換わる治療法として、大豆が注目されているとの研究報告。大豆のイソフラボンが、女性ホルモン(エストロゲン)同様の働きをするためで、イソフラボンで更年期特有の熱感や関節の痛みなどが和らぐなどの結果が出ている。
 イソフラボン摂取には豆乳や豆腐などの加工品も有効で、これにカルシウムの豊富な乳製品、イワシ、コウベやブロッコリーなどが加われば骨粗鬆症予防にもなる。エストロゲン減少は、骨粗鬆症や動脈硬化、高脂血症、高血圧の他、心筋梗塞やうつ病の原因ともなり、精神面、肉体面に様々な影響を及ぼすが、骨粗鬆症による姿勢変化も、肺や心臓の機能低下、外観の悪化といった影響を及ぼす。
 加齢と上手に付合うには、正しい知識と治療の他、心筋梗塞や脳梗塞の原因ともなるストレス発散などの工夫も必要。世界中で寿命が伸びる中、充実した第三世代を過ごし、過ごしてもらうためには、毎日の小さな知識や工夫の積み重ねが大きな違いを生じさせる。