ニッケイ新聞 2008年10月15日付け
エクアドル政府は十三日、オデブレヒト建設の幹部職員四人の滞在ビザを取り消し、追放処分に処したと十四日付けエスタード紙が報じた。同国政府発表では、中央電力公団(フルナス)職員五人も同じ処分を受けた。
ブラジル外務省は、エクアドル政府が追放処分を決定した経緯を文書で受け取った。文書では同問題が、両国の外交関係に尾を引くらしい。問題は対処で解決することだが、隣国は政治問題にしたいようだ。
アモリン外相は、エクアドル政府の背後関係が分からないという。エスタード紙が調べたところでは、エクアドル政府は自国の技術者で発電所を竣工したいらしい。持て余した場合、外部へ助けを求める考えだ。
オデブレヒトは、発電所建設の他に四カ所の公共工事六億五千万ドルを受注していた。エクアドル政府は、同社とフルナスを追放処分にしたが、営業停止ではない。
BNDES(社会開発銀行)の借款二億四千三百万ドルは、合法性と有効期間を調べるという。コレア大統領は先月、借款を踏み倒す考えであったようだ。
フルナスは、同発電所の欠陥を未然に発見できなかったと、業務怠慢で訴えられた。それでもルーラ大統領は、コレア同志と平和解決に向け話し合ってみると述べた。
エクアドル経済支援使節団の派遣は、中止した。報復かとマスコミで騒がれ、両国の共同作業は無意味と大統領が判断。アモリン外相は、エクアドルへ「こんな争いで、得るものはない」と覚書を送った。
エクアドルは、憲法改正の国内問題にオデブレヒトを巻き込んだが、国民投票が終われば自然に解決すると、伯外務省は見ていた。しかし、フルナスを巻き込み、次はペトロブラスもだ。
エクアドルと隣のベネズエラは最近、動きが不可解。両国は対露接近を試みるなど、米国に距離を置く姿勢を見せている。ブラジルとしては、不要な緊張を招くことで、不快としている。