ニッケイ新聞 2008年10月15日付け
ペルナンブッコ州オリンダの伝統芸能マラカトゥを習うために九月三十日から十月四日まで、日本から五人が来伯し、第一回日伯マラカトゥ合同練習を行った。
コーディネートしたのは、ブラジル音楽を深く体験する支援をするディープ・ブラジル協会を主宰する翁長巳酉さん(48、沖縄県出身)=東京都在住=。同協会は今までに四日間のサンバ合宿を四回実施、リオとサンパウロ市双方のカーニバルに参加するツアーも行っている。
今回は、女性だけの二百人で構成される地元グループCOXITASが受け入れた。マラカトゥは黒人文化を源とする北東伯独特の伝統音楽。アルファイア(大太鼓)、小太鼓、アゴゴ(カウベル)、瓢箪にビーズを巻いたアベ(シャケレ)などの打楽器に合わせて歌う。
今回、日本からは仙台、京都、大阪などで独自にグループを作り、マラカトゥを練習する愛好家が参加した。平均年齢は三十歳前後、会社を休んで参加した。
実際に本場のグループと合同演奏するのは初めて。翁長さんも「みんな、口々に良い経験ができたと喜んでいました」と代弁する。
四日間の練習の合間には、カンドンブレのテレイロ(祈祷場)、ボネッコ・ギガンテ(巨大人形)制作のアトリエを訪れるなど一風変わった見学も行われた。
わざわざ日本から来たとあって、合同練習には毎回三十人近い地元の見物人が集まり、声援が送られた。最終日の発表会ではオリンダ市役所も便宜を図るなど歓迎されたという。
翁長さんは「サンバだけではないブラジル音楽の多様性が、日本でもだんだん理解されるようになってきた」と意義を語った。練習の問い合わせ等は翁長さん(olubje@wind.ocn.ne.jp)まで。