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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2008年10月15日付け

 「日本では、私たちの一票への関心が薄いということなのでしょうか」―先日編集部にあった電話、受話器の向こうで読者の男性はそんなふうに話していた。
 サンパウロ市から数百キロ離れた内陸に住み、年齢、体調のため公館投票は見合わせている。予想される次回衆院選は「最後の機会かもしれない」と郵便投票を考えるが、判断材料となる情報を得る術がない、という。
 公示後に発表される候補者情報はサイトのみ。公館投票なら会場で閲覧できるが、郵便の場合、NHKも見ずインターネットをしない有権者はどうすればいいのか。総領事館が公示後の問合わせに応じているが、同じように感じている人もいるかもしれない。
 郵便投票の人は、自分が投じた一票が届いたかどうかを知ることもできないのが現状だ。男性の声に、六度の在外選挙を経てなお、考えるべき課題は多いと感じた。(ま)