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サントアンドレ=人質事件さらに長期化?=失恋、嫉妬が招いた悲劇=住民等に募る不安と不満

ニッケイ新聞 2008年10月17日付け

 サンパウロ州サントアンドレで十三日に発生した人質事件が、国内最長の人質篭城事件となっている。
 十四日からの伯字紙によると、事の発端は失恋と嫉妬。三年の交際後、犯人のアウヴェス(22)容疑者が五度目の終焉宣言をしたのが約一月前。ところがその後、元恋人のエロアーさん(15)とよりを戻したくて話そうとしても、彼女の方は相手にしない。別の男性との交際も始まっていた。彼女との間で口論があったとの情報もあり、思い余った犯人が、銃を手に彼女の自宅を襲ったようだ。
 十三日午前中に銀行支払いなどの身辺整理をした上、午後一時半にエロアーさん宅を襲ったアウヴェス容疑者だが、侵入時の同宅には一五歳の学友三人。当初全員が人質とされたが、男子学生の一人の親が迎えに来て事件発覚。現場に到着した警察が携帯電話で交渉し、男子学生二人が同日夜、女子学生が十四日夜開放されたが、開放の際など、計四発の発砲も起きている。
 十四日開放の女子学生によると、犯人はエロアーさんにキスを強要しようとした他、彼女を縛る、叩く、髪の毛を引っ張るといった暴行もあったというが、これらがキスを強要した時点のものかは不詳で、エロアーさん本人は、十五日に電話で接触したテレビ局担当者に、「何もされていない」と話していたという。
 犯人との交渉には警察の特殊部隊が当たっているが、現場は集合住宅型アパートで、危険回避のため、アパート住民の外出などが禁じられた他、警察の基地として使用中の学校の授業中止、報道陣の現場隔離などが行なわれている。住民の中には、危険な状況で身動きが取れないとの不満や、解雇されないかとの不安などが募ってきている。
 一方、社会から白眼視目され、体調を崩したりしている犯人家族他、被害者家族も、シーツを繋いで作った綱を窓から下ろし、食事を受け取る娘の様子に卒倒したりと、極限状態に近い。
 犯人との交渉は二転、三転。十五日に「彼女の解放後自分も投降」と言った後、人質解放の時は自分が決め、前もって通告しないと言い始めた犯人。十六日グローボ・サイトが、一度開放された女子学生が朝十時に再度人質に取られたと報ずるなど、警察と犯人との信頼関係はズタズタ。解決の目処も立たない展開の中、犯人の姉は、生きた弟と会うことはないとさえ感じ始めている。

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