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カンポ・グランデ沖縄県人会=会創立86年・会館建設42年=記念演芸会で盛大に祝う=さらなる文化継承に意欲

ニッケイ新聞 2008年10月17日付け

 【カンポ・グランデ発】南麻州カンポ・グランデ沖縄県人会(玉城ジョルジ会長、四百三十家族)は、会創立八十六周年・会館建設四十二周年を記念する演芸会を九月二十八日午後六時から、同会館で開いた。約四百人が集まった。玉城会長はあいさつで、沖縄県から安里カツ子副知事を招いて八月二十五日~二十七日に開催された百周年式典などにも触れ、「先駆者に敬意を表しながら、将来も沖縄の文化の継承を続けていきたい」と意気込みを見せた。県連主催の「移民のふるさと巡り」の一行百十七人も立ち寄り、伝統芸能を楽しみながら、交流を楽しんだ。
 カンポ・グランデへの沖縄県人の定住は、一九一四年に行われた同市郊外の鉄道敷設作業に従事した笠戸丸移民やペルーからの再移住組が嚆矢とされる。
 野菜作りを始めた百人にも満たない県人らは、年々拡大する町の発展とともに様々な職業を営むようになり、小学校設立資金の獲得、日本精神の涵養などを目的に一九二二年、知念亀を初代会長にカンポ・グランデ沖縄県人会を設立した。
 式典では、新里恒夫・評議員長(75、二世)、崎浜秀彦・副評議員長(64、沖縄)らがあいさつで演芸会の実施を喜び、新地正喜評議員(62、沖縄)が県人会の誕生日を祝い「パラベンス」と、乾杯の音頭を取った。
 同市では、沖縄ソバが〇六年に同市の無形文化財に登録されており、その功労者であるカンポ・グランデ観光文化フェイラ協会のアウヴィラ・ソアレス会長(43)が表彰され、玉城会長から記念トロフィーが贈られた。
 舞台では、琉球舞踊、民謡、太鼓などが次々と披露され、会場からは大きな拍手が送られた。
 会館にある日本語学校「沖縄学園」の生徒で今年七月、沖縄県主催の「沖縄ジュニア・スタディー・ツアー」のブラジル代表として、初めて沖縄を訪れた中馬・渡慶次・カレンさん(17、四世)が壇上で会員に感謝の言葉を述べ、日ポ両語で「沖縄が大好きになった。もっと日本語を勉強して、もう一度訪れたい」とスピーチした。
 九歳で渡伯し、カンポ・グランデ郊外に入植した鈴川良子さん(57、山口)は、一九六六年の会館オープニングに参加、演劇を披露した。
 「あの頃は床がセメントだった」と当時を懐かしみながら、「友達はみんな沖縄の人。八年前からは婦人会で四つ竹もやっているんですよ」と笑顔を見せていた。
 会場では、婦人会手作りの沖縄ソバも販売され、参加者らは舌鼓を打っていた。