ニッケイ新聞 2008年10月17日付け
ブラジル文化省が実施する二〇〇八年度文化功労賞を、日系団体としては初めてコムニダーデ弓場協会(弓場農場=弓場常雄会長)が受賞した。七日午後、リオ市の市立劇場で授与式が行われ、弓場からユバ・バレエ団代表の小原明子さん、綾さん、今本駒子さんが出席した。
ブラジル人作家、マシャード・デ・アシスの死後百年を記念して同氏の称号がつけられた今年度の同賞。ブラジルで長年文化にたずさわり貢献してきたとされる三十八個人と十一団体に贈られた。
七日の表彰式には音楽家のジルベルト・ジル元文化大臣や映画監督、俳優、演劇関係者など各界の著名人も列席。三階まで満員の観客たちが見守る中、ジュッカ・フェレイラ文化大臣によって代表者へ記念の勲章が授与された。小原綾さんによれば、受賞者でサンバ歌手のエルザ・ソアレスさんが国歌を熱唱するなど、豪華な雰囲気で式は進められたという。
創立七十三年目の弓場農場は今年、日本政府の外務大臣表彰を受賞。また、百周年を記念して各地で十五回以上のバレエ公演を行ってきた。今までにNHK特集でも二回取り扱われるなど、芸術と農業と宗教を柱とした営みが注目、評価されている。小原明子さんは「映画監督が式で話した『積み上げた歴史の中で文化は育ってゆく』に同感。今すぐ文化はできない。評価されて嬉しい」と喜びを表した。
同賞は九五年から始まり、これまで日系人の受賞は、映画監督の山崎千津薫さん(〇〇年度)と造形作家の大竹富江さん(〇六年度)の二人。今回、弓場は団体としては日系初の快挙を遂げたことになる。