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原油が66ドルへ下落=二面相のコモディティ相場

ニッケイ新聞 2008年10月18日付け

 ロンドンの原油市場が十六日、バレル当たり六十六ドルへ下げたことで証券市場で異変が起きていると十七日付けエスタード紙が報じた。原油下落はペトロブラス株を引き下げ、公社株に集中するボベスパの株価指数に影響した。
 サンパウロ市証券取引所は、原油下落で株価指数を一・〇六%下げた。〇八年に入って累計で四三%の下げだ。原油下落で岩塩下油田の開発も、投資家の動きが鈍くなり計画の遅延が予想される。
 原油下落はペトロブラスには悪いが、不況脱出にはよい。いつも原油の高騰はインフレの原因となって市民の生活を脅かし、中銀が政策金利の引き上げ理由にし、景気回復の妨げであった。
 原油下落による金融市場への影響は、危機回復につながるものか単なる息抜きか、まだ分からないと関係者はいう。金融危機で動揺したアナリストらは、自信喪失らしい。いま証券もコモディティも心理的要因で動いているようだ。
 ようやく底打ちかと思ったら翌日は思わぬ暴落で、ボベスパの脆さが思い知らされた。ブラジル特産のコモディティは、ほとんど叩きのめされた。ボベスパ株式指数の花形役者は、みんな萎縮している。
 金融危機の傷跡は、実体経済のレーダーにくっきり残っており、投資家の出動には至っていない。欧米政府がリセッションに、どう対処するかが注目。それでもブラジルは、欧米より早く金融危機から脱出すると関係者は見ている。
 ブラジル経済の基礎条件は、米国のそれより良いらしい。ブラジル経済の未来に景気減速はあっても、不況はないという見方が多い。〇九年の経済成長率は、五%から三・五%へ引き下げたが、減速であって不況ではないという。