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国際労働機関=2009年解雇旋風を警告=建築と農業融資急ぐ=大統領の花道で失業の嵐?=企業家は危機を体験済み

ニッケイ新聞 2008年10月22日付け

 ルーラ大統領と政府の経済スタッフは二十日、雇用創出強化の協議に入ったと二十一日付けフォーリャ紙が報じた。国際労働機関(ILO)は同日、金融危機のため〇九年には二千万人の失業者が世界に溢れ、ブラジルも例外ではないと発表。金融危機が実体経済へもたらす影響は、大統領の花道ともいうべき二〇〇九年の下半期に顕在化すると予測されている。
 政権評価率が八〇%といわれたルーラ大統領にとって、追い風を受けて有終の美を飾るのは難しいようだ。解雇旋風の吹く中、国民の罵声に送られて退陣とは、政権を預かった者一同にとって遺憾の思いだろう。
 ルーラ大統領は二〇一〇年、ブラジル政治史に未曾有の金字塔を打ち立てた政治家として、ロウセフ官房長官にバトンタッチをしながら退陣したいはずだ。
 ILO発表では、二〇〇九年に世界的な解雇旋風が吹き荒れ、ルーラ政権が終わる二〇一〇年まで続く。財務省調査によれば、二〇〇八年の経済成長で二〇〇九年上半期まで持ち応える。政府は〇九年下半期の緊急対策を練る必要がある。
 ルーラ大統領は、大量雇用と就職前線の活性化を可能にする建築と農業に融資を優先するよう指示。ブラジル経済は堅実だから危機に耐え、〇九年も四%成長を続けよという大統領命令だ。財務相は、三・五%以上行けば「御の字」という。
 農業は、船が寄港に下す錨。二〇〇九年度農作物の収穫減産警告は、大統領にとって一大事だ。緊急融資二十五億レアルが直接、生産者に配布される模様。またゼネコンは、資金不足から〇九年下半期に工事中断を通告。そのため、建築に四十億レアルを緊急融資すると約した。
 ルーラ大統領は、大手銀行を通さず、公立銀行経由で公的資金を精力的に配布するよう発破をかけた。公共工事の発注と建設許可を認可する官庁にも、目を覚まして働くよう雷を落とした。
 大統領によれば、ブラジルは過去三回も、メキシコやアジア、ロシア金融危機を経験している。金融危機の対処法を会得したから今こそ飛躍のチャンスと、週刊誌「カルタ・カピタル」の模範経営者表彰式で訴えた。
 「ブラジルの企業経営者は、世界が金融危機で萎縮しているときにも怖じ気付かず、独自の投資計画を推し進めて海外雄飛の本懐を遂げるべきだ」と、大統領は激励した。

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