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JICA=芳賀克彦所長が着任=「日系社会支援は継続」

ニッケイ新聞 2008年10月22日付け

 国際協力機構(JICA)ブラジル事務所の新所長に芳賀克彦氏(49、宮城)が着任し、小林正博・前所長(54、山梨)と二十一日午前、本紙を訪問、交代の挨拶を行った。
 芳賀氏は、〇〇年から三年六カ月、ベレン支所(〇五年三月に閉鎖)で支所長として勤務、八〇年代に在エクアドル日本大使館への出向経験もある南米通。前任地のJICA本部資金協力支援部では、次長を務めた。
 今月一日から、JBIC(国際協力銀行)の海外経済協力業務、外務省の無償資金協力業務を統合し、新JICAが誕生した。
 ODAと円借款を一元的に実施することで効果的援助が可能であるとしたうえで、〃格差是正〃を視野に「生活インフラ、公共交通の整備など、一般の方に裨益する技術・資金協力を民間企業からの投資も仰ぎ、官民連携で行っていきたい」と力を込める。
 対日系社会関連事業に関しては、「ボランティアの派遣などを含め、今後も継続していく」と話した。
 〇五年三月から三年七カ月の赴任となった小林前所長は、印象深い事業として、日系人をアフリカに派遣するなど、「日伯パートナーシップ・プログラム(JBPP)の第三国協力プロジェクト」を挙げる。
 その理由を「ブラジル政府と協力し、日系人を活用するなど、『支援から連携』への大きな変化だった」とし、「アフリカへの支援に関しては、日伯両国の方向性が一致しているため、継続する事業」とも。
 ブラジルの印象について、「親切で明るい国民性。四十カ国を回ったが一番いいのでは。百周年という節目の年にいることができ、日系社会にも助けられ、楽しく、気持ち良く仕事ができた」と感想を話す。
 帰国後は、世界中から年間七百人の研修生を受け入れ、ブラジルに派遣される九州出身のボランティアを統括するJICA北九州国際センターの所長に就任する。
 「ブラジルには九州の方も多いし、各県とも協力し、これからもお付き合いを続けていきたい」と今後も日系社会を支援する考えを述べた。