ニッケイ新聞 2008年10月24日付け
ブラジル地理統計院(IBGE)は二十一日、北東伯地方の二〇〇九年度GDP(国内総生産)が、全国の経済成長率を上回ると発表したことを二十二日付けヴァロール紙が報じた。
同地方のGDPは二〇〇八年、全国平均の五・一八%を上回る五・五%。二〇〇九年度全国GDPは、金融危機を考慮し三・五五%としているが、北東伯は三・八一%と鼻息が荒い。
原因は所得の増加が、同地域に活力を呼び込んだ。しかし、金融危機による経済の陰りは否めない。小売業の売上が七月、全国平均が一〇・六二%なのに、北東伯は、八・九%も落ちた。
しかし、北東伯の底打ちは、三月であった。その後、海老の輸出や中古車販売、原油高騰などが地域経済に活を入れた。為替が一・九〇レアルから二・〇〇レアルに留まるよう、北東伯の人たちは願っている。
消費市場の需要は〇八年、前年度よりやや後退。原油価格が七十ドルよりも高騰すれば、アラゴアスやペルナンブッコ、パライバのエタノール産業が盛り上がる。
生活扶助金のお陰で各世帯の消費能力が向上し、食品工業が潤っている。これから生産増加が見込まれるのは、ペルナンブコ州の原油と造船、リジン。バイア州の石油化学製品と自動車。セアラー州の繊維。マラニョン州の鉱産物と農産物。北リオ・グランデ州の石油化学と観光資源。
まだ軌道に乗っていないが、アラゴアス州のエコツアーがある。その他セルジッペ州やピアウイ州、パライバ州などは、風光明媚な自然資源に恵まれているのに、地元政治家から政府の補助金に依存する古い考えが抜けていない。