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暫定令443号=議会が一定制限枠を要求=不正の温床を育む=入札抜きと期間未定に難=違憲との指摘もあがる

ニッケイ新聞 2008年10月25日付け

 ブラジル銀行などが不良銀行に資本参加するのを容認した暫定令四四三号に疑問を抱く国会議員が二十三日、同令の修正で会合したと二十四日付けエスタード紙が報じた。公立銀行が入札も行わず他の民間・公立銀行の株を購入し、一定の限定期間も設けず競売に付すことに抵抗があるようだ。公立銀行には破綻しないとする不文律があり、公的資金の投入対象にならないという意見がある。
 法的問題を孕みながら暫定令四四三号は、発車しようとしている。与野党議員らは、ブラジル銀行や連邦貯蓄銀行(CEF)が公的資金を使用することで同令に一定制限枠を設ける提案を、ルーラ大統領に進言することにした。
 ドルネレスPP(共和党)党首は入札抜き株式の購入を犯罪の温床として指摘した。「ブラジル銀行は、民間資本を含む合資企業で純然たる公立銀行ではない。それに公立銀行が傍系とはいえ、新たな公立銀行を設立するのは違憲とされる」と疑問を呈する。
 さらに銀行買収から競売までに一定期間がないことで、計画的に談合を企み、抜き打ち売却する可能性がある。一部の民間銀行が競売当事者を買収し、有利な段取りを秘密裏に持ちかける。
 例外として認められるのは不良銀行が破綻状態にあり、中央銀行が資金管理と経営監査、破産手続きを他行に委託した場合に限るとしている。
 「銀行の買収が中銀からブラジル銀行またはCEFの手に移る段階で、政治駆引きがからむのも問題だ」とジェレサッチ上議(PSDB=社会民主党)が苦言を呈した。
 不良銀行の救済が失敗した場合、投資家が損害を被らない保証も必要とマイアDEM(民主党)党首が発言した。それには、監査と管理のメカニズムを設定するなどが提言された。
 一方、ブラジル銀行が自動車ローンの金融企業を強制資本参加する計画が浮上。自動車産業は、ブラジル経済のけん引車とされるが金融危機後、売上が急減した。
 また建設業界は、資本参加よりも住宅ローンにてこ入れして欲しいと願っている。不動産業組合のクレスターナ理事長は「一部の建設企業へ資本参加をするのではなく、ローンへの資金投入で業界全体を潤して欲しい」という。