ニッケイ新聞 2008年10月25日付け
ブラジル宮城県人会(中沢宏一会長)が二〇〇六年十二月に新しい試みとしてはじめた青葉祭りは、来月で丸二年間を迎える。今月十八~十九日にも、あいにくの雨交じりの天気にも関わらず六百人以上が訪れ、屋上で提供される「ポッポ焼き」などの特色ある郷土食に加え、地下のADESC(農協婦人部連合会、内海千代美会長)コーナーにも人気が定着してきたことを伺わせた。
ADESCの有機野菜・手作り品販売コーナーには、いつも客が絶えない。フェイラ担当の副会長、玉腰豊子さんは「もう少しで二年になるなんて。リベルダーデで売るのが前々からの夢でした」と感慨深げだ。以前からやっているSBC駐車場でのフェイラには、ブラジル人客も増えてきたが、ここでは大半が日系人なのが特徴だという。
日本食品や食材のメッカである東洋街に乗り込んで、果たして婦人部手作り品が売れるのか? 不安が大きかった。
「はじめた頃は、お客さんが来ないんじゃないかと心配で、正直いって怖かった」と振り返る。ところが口コミで「美味しい」「防腐剤が入っていないから安心」という評判が広がった。
事務局の栖原マリナさんも「お客さんがお客さんを連れてきてくれるから、おしゃべりが大事。懐かしいおばあちゃんの味だといって、一カ月分まとめ買いしてくれる人もいますよ」という。
メーザいっぱいに、手ごろな価格で手作り品のボーロや各種お菓子、〃オフクロの味〃の惣菜などが並ぶ。特に、土曜の朝には、手ごろな値段で売られている有機野菜目当てに行列までできる。常連客のひとり、千田曠暁さんは「ここの新鮮な有機は最高」と誉める。
バルゼン・グランデ、カウカイアなどの近郊はもちろん、遠くはバイーア州、サンタカタリーナ州などの婦人部からも品物が届く。
内海会長も「ここでは、自分たちが美味しいと思ったものが良く売れるからやりがいがある」と微笑む。
宮城県人会の中沢会長は「この二年間の積み重ねをベースに、もっと何かを展開していきたい」との期待感を表明した。大サロンでの別イベントとの相乗効果をもっと有効活用するなどの新しい方法を試すことを含め、更なる発展を模索中だ。