ニッケイ新聞 2008年10月25日付け
サンパウロ大学法学部と同大学付属国際関係研究所「三井物産冠講座」の初めての講座として、日本の最高裁判所の田原睦夫判事による講演会が二十日午後六時から、同学部教授会会議室で開かれた。同大学関係者や学生など、約五十人が参加し、熱心にメモを取る姿が見られた。
田原判事は、近年日本で急ピッチに進む立法と司法制度改革の動向について講演。司法改革の歴史や民事手続法の改正、刑事裁判制度の改革、法曹養成制度の改革など、幅広く日本の司法制度について説明した。
二宮正人同大学教授がポルトガル語訳した。二時間に渡る講演後、出席者からは日本の国選弁護人の選出やその報酬ほか、日本のデノミ政策の検討などについて質問が出され、同判事は一つひとつ丁寧に答えていた。
最高裁判所判事の来伯は、一九八一年の木下忠良判事以来で、実に二十七年ぶり。一九五七年の田中耕太郎長官以来では五人目となる。