ニッケイ新聞 2008年10月28日付け
国連食糧農業機関(FAO)は十五日、主要穀物の相場が豊作と減速経済のもとで下落しているが、コモディティ市場の低迷は長くないと警告したことを十六日付けヴァロール紙が報じた。
FAO調査によれば、米国での穀物相場の下落は小麦で前年度比四五%減、トウモロコシが三五%減、米は一六%減。ヴェトナムやパキスタンでは三五%も下落。
相場低迷と金融危機による融資不足のため農業生産者は、植付けを控えている。そのため二〇〇九年は、食糧不足で未曾有の価格高騰が予想されるという。
一方、穀物の先物市場は、金融危機による不確定要因を反映し相場の乱高下が起きている。しかし、大豆とトウモロコシ、小麦の二〇〇九年度の価格は、二〇〇七年の水準に戻るという予測をFAOが予告した。