ニッケイ新聞 2008年10月29日付け
谷本知美さんのサンパウロ市公演があった二十六日は暑かった―。特に文協ビル大講堂の中は、千百人の熱気がこもり、蒸し風呂のよう。「暑いねぇ。化粧落ちてない?」と谷本さん。西林総領事に扇子で煽いでもらうなど、観客の笑いを取り、約二時間半、約二十曲を振り袖姿で熱唱した。そのパフォーマンス、その集中力、さすがプロ。
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二十六日昼ごろ、サンパウロ市リベルダーデ区の岩手県人会のあるビルに泥棒が入った。通用向けの階段から入り、扉を破壊して県人会事務所に侵入。不在の事務所を中心に荒らしまわった形跡があったが、金品の被害はなし。以前、同じような手口で被害に遭ってから、事務所内に貴重品を置かないようにしていたことが幸いしたようだ。他の県人会でもご注意を。
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競泳で世界新を連発、海外の選手に勝つ姿で敗戦に打ちひしがれた日本国民に希望を与えた「フジヤマのトビウオ」こと古橋広之進さん(80)にスポーツ選手として初めて、文化勲章が与えられることとなった。古橋さんは一九五〇年に日本代表水泳選手団の一人として来伯、勝ち負け問題で混乱したコロニアを元気づけた。パカエンブー競泳場で掲揚された日の丸は、公式なものとしては戦後初。戦後日伯交流の先駆けともなった。今回の受章をコロニアも大いに喜びたい。