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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2008年10月29日付け

 一年を通じて、あちこちで植民地出身者の集いが開かれている。チエテやアリアンサなど大きな所と並んで、毎回百人前後が集まるジャクチンガ植民地の集いもその一つだ。今は牧場となり、往時の植民者はいないが、集いは今もサンパウロ市で続く。
 外から移った人もいれば、同地生まれの人もいる。中には一度も顔を出さない人もいるという。理由は色々だろう。当時の生活には良い事も、もちろん悪い事もあったはず。それでも、参加者たちが懐かしそうに近況を知らせあう姿は、同じ場所で、同じ時代を生きた絆の強さを感じさせた。
 会には、おそらくジャクチンガを訪れたことはないだろう子や孫たちの姿もあった。将来、植民地の生活を知る人たちがいなくなれば、集まりはなくなっていくのかもしれない。それでも両親、祖父母たちが先人に感謝し、続けてきた集いへの思いは受け継がれてほしいと思う。   (ま)