ニッケイ新聞 2008年10月30日付け
コロニア御三家といえば、戦前は日本側の組織である領事館、海興、ブラ拓だったが、時代とコロニアの意識の変化も伴って、戦後は文協、援協、県連に。だが名実共にーとは言えないのが現状だ▼「全伯日系団体の代表組織」と自称だけは勇ましい文協。その三大お荷物といえば、言わずと知れた日本館、史料館、国士舘。三館問題ともいわれるが、貰い受けた国士舘は除き、これらの歴史は誠に意義深い▼日本館は、サンパウロ四百年祭を機に日本建築物を市に贈ろうーと勝ち負け問題に揺れたコロニアが大同団結。この際結成した協力会は、文化協会へと発展的解消を遂げる。史料館も文協中興の祖、中沢源一郎元会長が「移民史の分水嶺」と声を上げ、七〇年祭に開館された。両館ともに百周年特需で黒字を計上したが、史料館独立の動きが先日の臨時評議員会で議題に上った▼結果、十五人で組織される「史料館独立検討委員会」なるものが発足した。十二月の次回評議員会で検討結果が報告されるようだが、見逃してはいけないのが、同議上であった「国士舘センター活用検討合同委員会」の発表だ。読者諸兄ご記憶の通り、これはコチア青年連絡協議会や地元文協の自主運営の動きを受けて、昨年十二月に発足したものだが、「未だ解決策を見出せ」ず、年間六万レの赤字を生み続ける▼屋根の上に屋根を作ることは建設的のようだが、文協ビルのように不法建築となる可能性もある。ほぼ活動が止まっている「大豆食普及委員会」とともに「三大それで委員会」にならなければいいが。 (剛)