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リベイラ開発に携わった黒瀬氏=娘が足跡たどりブラジルへ

ニッケイ新聞 2008年11月1日付け

 日本在住の京田三惠さん(60)が、十四日から、ブラジルに滞在していた当時の父親の足跡を辿る旅を行うにあたり、情報提供を呼びかけている。
 京田さんの父親、黒瀬泰(とおる、一九〇一年生まれ)さんは、一九二八年五月三十一日に若狭丸でブラジルへ渡り、レジストロで海外興業の仕事に携わっていた。
 黒瀬さんは、レジストロ事務所の相原三介所長の依頼でリベイラ川の水力発電計画のために未踏の地の測量し、約二年間の歳月を経て図面を完成させた。
 しかし、現地では資金不足などから計画は頓挫し、職を失った黒瀬さんは、在サンパウロ日本国総領事館の古谷重綱さんの農場で働き始めた。
 その後、水力発電所の資金調達のために調査図面一式と、植民地で育成した蘭の新たな販路を求めて日本へ三五年に一時帰国。だが、第二次世界大戦の影響などで、ブラジルに戻ることが不可能となり、日本に定住した。
 戦後は東京の赤羽で日本精電を経営していた。妻は黒瀬松枝(一九〇六年生まれ、旧姓・片岡)さん。二七年から三一年まで移民勧誘雑誌「植民」で記者をしていた。松枝さんはブラジルを訪れたことはない。
 黒瀬さんは七五年に、リベイラ川の水源開発の計画を聞き再来伯している。しかしこの計画も、バブル崩壊とともに計画倒れになったという。
 京田さんは「両親と関わりのある人に会いたい」と切望している。
 黒瀬さんに関する情報をお持ちの方はアルファインテルの川原純さん(11・2187・8989)まで連絡を。