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アモリン外相=IMF改革を提案=米式密室政治に物申す
ニッケイ新聞 2008年11月5日付け
「米新政権は国際通貨基金(IMF)改革に積極的に取組むべき」とアモリン外相は表明したと四日付けエスタード紙が報じた。IMFの方針決定に際し、「米国の外交政策を、途上国の立場を重視する多面外交に切り替えるよう要請する」という。
ワシントンで十五日、国際金融システムに関するIMF出資国代表会議が行われる。IMFや世銀の表決は、非民主的な密室主義で行うと外相は批判し、公明正大に決議を採る表決法を提案するという。
「米覇権時代の終焉とはいわないが、現在は政治的見直しの非常に大切な時だ」と同外相はいう。金融危機が、新世界秩序の構築に拍車をかけている。
ブッシュ政権によって中断した多面外交を復活させ、米政府の態度に反省を求めるらしい。変革を要するのは、G8サミットや国連の安保理も同じ。会議に新興国を招待するが、本会議に出席させないし、意見もいわせない事後承諾だ。
政府は次期米政権に、混乱解決への尽力を期待している。米新政権に、変革を前提とした物分かりのよい有能な人材が出現するはず、と外相は見ている。十五日の会議は米一国で解決できない複雑な問題だから、新興国の協力を求め参加を要請したと見ている。
IMFの投票権や発言権に、各国の出資率を反映した決定方式の中止を、ブラジルは要請する。しかし、IMFに多額出資をする国の裁量をいかに配慮するか、は外相が言明を避けた。
世界が不況の瀬戸際にある現在、経済活性化のためには、ドーハ・ラウンドの決議に従った市場開放が必要だと、外相は強調している。