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金融危機はPTの試錬=〇九年の結果が分水嶺に

ニッケイ新聞 2008年11月6日付け

 ルーラ大統領の想像とはかけ離れ、現在直面する市場の流通量不足は、二〇一〇年の大統領選を不透明で混沌とした事態へ誘いそうだと四日付けジアリオ・デ・コメルシオ紙が報じた。
 経済評論家や政治学者は一様に、実体経済の失速は、野党に政府攻撃の口実を与えるという。野党は、景気対策としてのPAC(経済活性化計画)維持のため、確固たる投資の継続を要求する。
 そのために野党は、社会政策の手抜きも許さない。現在の経済的混乱は〇九年、予想以上の景気減速と失業を生み出す可能性がある。一〇年の大統領選を前にして、政府の経済スタッフには言い訳は許されない。
 一九二九年に米国で生じた大恐慌は、ブラジルへ政治的インパクトをもたらし、一九三〇年革命の原因となった。危機対策に失敗したのだ。
 大統領は現実主義者だから、ルーラ人気がイデオロギーの産物ではなく、好調経済の結果だと熟知している。
 PT(労働者党)が政権継続を希望するなら、直面する経済混乱を現実主義で克服して欲しいものだと、政治学者らが願っている。国民は政党や思想に余り関心がない。

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