ニッケイ新聞 2008年11月7日付け
ブラジルで日光東照宮の流鏑馬(やぶさめ)を――。日本全国の東照宮の総本社、日光東照宮(栃木県日光市)は流鏑馬のブラジル公演を検討している。
同東照宮の代理で下準備のために訪れた、ビル総合管理環境整備株式会社の松本典文取締役会長によれば、「今年立派に百周年を迎え、ブラジルで頑張っている日系社会のみなさんに、ぜひとも見てもらいたい」と強調する。
流鏑馬は疾走する馬上から的に鏑矢を射る、日本古来の騎射の技術・儀式。日本全国各地の祭などで披露されている。同東照宮は今までニューヨーク、ロンドン、メキシコシティーなどでも海外公演をした。
松本会長は、日系社会からの要望を受け、「五年以内にサンパウロで流鏑馬を開催したい」との希望を語った。さらに「世界最大の日系人が住んでいるサンパウロで、ブラジル社会の方を含めて多くの人たちに見てもらいたい」とのべた。
現在、場所や時間などを調整中。ブラジル日本都道府県人会連合会の日本祭責任者や西林万寿夫在聖総領事とも打ち合わせをした。今後、詳細が具体化した段階で協賛企業などを募っていくという。
松本会長は、アルゼンチンのブエノス・アイレス市で十月二十六日から二十九日まで開催された、第十七回世界ビルメンテナンス協会の会合に日本から約五十人とともに出席した後、下準備のために立ち寄り、四日に帰路についた。